平尾桂子の研究室

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進化する男性と化粧品

1970年、チャールズ・ブロンソンを起用した「マンダム」のCMが話題になった頃、男性用化粧品の市場がここまで拡大すると、だれが予想できただろう。

 

あれから40年、身だしなみを気にする男性は確実に増えた。いや、厳密には、男性が外見を気にしても「男らしくない」とは思われなくなったと言うべきか。眉の手入れ、すね毛、肌の保湿に、頭髪。彼らが気にするパーツは女性と同じくらいあることがわかってきた。

 

最近では、「ヘアスタイルが決まると一日中気分がいいよね」なんて会話が男同士でも成り立つようだと、資生堂「ウーノ」<フォグバー>のCMは教えてくれる。

 

瑛太、小栗旬、妻夫木聡、三浦春馬という、売れっ子イケメン俳優を4人もロンドンに送り込んでのロケ。大英博物館やビッグベンなど観光スポットを背景に、ビートルズに扮した4人が市内を軽やかに闊歩する。

 

ポイントは彼らのヘアスタイル。「固めず、まとめる」霧状のスタイリング剤のおかげで、とても自然にそしてファッショナブルにキマっている。必要な部分にシュっとスプレーして、クシュクシュと手でなじませるだけでスタイリングできて、髪も手もべたつかず、手グシで何度でも元通りになる。その便利さに、「フォグバー貸して~」と老若男女からロンドン中を追いかけられる一幕も。

 

最新バージョンのCMでは宮崎あおいが加わって「女子にも大人気」と宣伝している。もっとも宮崎が使いたがるのを「子どもにはまだ早いよ」とバカにしながらではあるけれど。利用者の3割が女性というから、もうバカにはできないはずだ。

 

そもそも「男性用」とわざわざ言わねばならぬほど、化粧品とは女のものであったはず。男性用のそれを女性にもどうぞと言われるほどに、市場は一巡りした。

 

ところでその昔、「男らしさ」の代名詞だったブロンソン。今改めて見るとなんとなくネアンデルタールな感じは否めない。40年間進化し続けてきた化粧品でしっかりお手入れして差し上げたら、きっと素敵な紳士に変身できるだろう。

 

「マンダム」のブロンソンから「フォグバー」のイケメン4人組、「男らしさ」の軸が大きく変化していることは確かなようだ。

 

<資生堂、UNO[FOG BAR]>

 

「悠+(はるかプラス)」2010年12月号 『15秒のスケッチ』

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