家事に足し算

『トム・ソーヤーの冒険』のエピソード。塀のペンキ塗りの仕事を言いつかったトムは、本当はいやでたまらないのに「ペンキ塗りほどおもしろくてやりがいのある仕事はない」と、わざと楽しそうにペンキを塗る。すると周りで遊んでいた友達は興味津々で見物にやってきて、「リンゴをやるからペンキを塗らせてくれ」と懇願する。結果トムは、ペンキ塗りから解放された上に、その見返りとしてリンゴも手に入れてしまうというお話。

 

日立のCMシリーズ<エコに足し算>を見ていて、このエピソードを思い出した。アイドルグループ<嵐>のメンバーが、日立の家電製品をそれぞれ担当して使うという設定だが、彼らの家事風景が実におしゃれで、楽しそうなのだ。

 

掃除機担当の櫻井クン。踊るように軽やかに掃除機を扱い、友達が来るから掃除するのか、掃除しているから友達が集まるのか、そんなことを自問しながらお客のために部屋を整える。彼にとって「掃除機っぽい」と言われるのは褒め言葉なのだそうだ。

 

洗濯機担当の相葉クン。「お気に入りの服は洗うたびに自分のものになっていく気がします」と、洗い上がった服を「完璧~!」と洗濯機から満足そうに取り出し、フカフカのタオルを振り回してはしゃぐ。洗い物はボンボン洗濯機に放り込み、ついでに着ていたパーカーも放り込んでスイッチ・ポン!

 

ゲーム機WiiのCMにも登場している彼らは、掃除機や洗濯機をまるでゲーム機のように愉しげに操作する。そう、掃除・洗濯ほど愉快でやりがいのある仕事はないのです。

 

平成18年度『社会生活基本調査』によれば、36歳未満の独身男性の家事時間は一週間で平均6分。同年代の独身女性は26分。子育て期の家事時間は夫9分。それに対して妻は237分。どんな「足し算」をしてもいいから、男性に家事の楽しさをもっと知っていただきたい。

 

嵐のメンバーは20代後半。SMAPがあっという間に渋い大人に成長したように、彼らもじきに結婚して子どもを持つのだろう。パパになっても楽しそうに家事をしている姿がいつかCMで見られますように。

 

<日立 [エコに足し算]>

 

「悠+(はるかプラス)」2011年2月号

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です